もはやKARTの代名詞となったドライカーボン製カウル。
その開発には一方ならぬ苦労がありました。
初年度からウェットカーボン製カウルの製作を断行。
最初は右も左もわからないまま製作がスタートし、結果失敗の連続。
デザイナーもいない状態で出来上がった製品は12kgを超えました。
次の年から重量と強度を改善すべくプリプレグを用いたドライカーボン製カウルへ方針を転換。
かつてない険しい道がスタートしました。
当然のことながらドライカーボンの製作方法もわからない。まさに一からのスタートでしたが、こつこつと情報を収集し、型のもととなるウレタン、パテを削る日々。
そしてドライカーボン製作最大の難所、硬化工程にさしかかります。
カーボンを焼くために必要な温度を持続する炉が必要なのです。
「もちろんそんなものもっていない」→「作れ」
この単純明快な思考回路は、それまでに手探りでカウルの製作を進めてきたつわもの達のまさに戦利品ともいえるものでした。
ここからKARTの芸術ドライカーボン製カウルの歴史が始まったのです。
はじめて搭載された弐号機から年を経ること2年。
年々成型技術が向上するにつれ、アンダーパネルなど、その技術は他パーツにも伝播し、
新しい世界が広がりつつあります。
カーボン技術はまだまだ発展途上。今後の更なる応用へ向けて現在も鋭意研究中!!