9月10日(大会1日目)
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 第6回全日本学生フォーミュラ大会の開会式が行われた。大会の1日目は前日に引続き、残りの車検項目(重量計量、チルト、騒音)と静的審査(コスト、デザイン、プレゼン)が行われた。
 この日は一日中晴天であった。朝6時15分のゲートオープン時には、既に車が長蛇の列となっており会場に入るのが予定よりも遅れた。すぐにピット設営、車輌の整備をする。
 まず8時からコスト審査が始まった。これは車輌を製作するに当たり予算とコスト管理の上でどのような工夫をしたのかを審査員にアピールする場である。リーダー鯨岡の総括に続き3人の担当者が審査員の質問に答えてゆく。また、一般的な購入品目8種のうち2種について、その製造工程の知識と理解力を問われる所謂8分の2審査も行われた。コスト審査はポイントを稼ぐことが難しい競技の1つであるが、審査員の印象は悪くはなかったようである。
 コスト審査を終え、そのまま給油と車重計量へと進んだ。


▲ いよいよ大会が始まったなと思う

 我々の本年度の車輌重量は昨年度よりも30 kg 軽い225 kg!各担当者の努力の賜物である。嬉しい一時であった。
 その後すぐに、車輌を45度、60度と傾けて燃料や液体の漏れの有無と車輌が転覆しないかどうかを見るチルト審査に進みたかったが、続くデザイン審査までの時間的余裕がなかったために一度ピットに戻る。
 9時半からデザイン審査が始まった。デザイン審査では車輌の設計に際して工夫した点やその妥当性を評価される。工夫した点は数え切れない程にあるが、その中でも選り抜いたものを各班リーダーが審査員に対してアピールしていった。審査員の質問に対しても的確に答えることができ、手応えを感じて審査を終えることができた。 本大会ではコスト審査、デザイン審査共に昨年までの形式と異なる点があり、戸惑いを隠せない場面もあったが何とか切り抜けることができた。


▲ デザイン審査・コスト審査で予想していた形式と異なり一瞬戸惑う場面も

 デザイン審査の後、ちょっとしたトラブルの後にチルト審査を受けた時間は既に14時を回っていた。当初の計画よりも遅れてしまったが、審査そのものは一発で合格することができた。その後、所定の条件下で一定の音量以下であることを検査する騒音審査を受け、これも一発で合格する。これで車検シールの2枚目を手にする。
 車検項目の最後。ブレーキ試験に向かう。これは、定められた距離内で加速した後の急制動で4輪が全てロックするかどうかを見る試験。これも一発で合格することができた。全ての車検項目を無事通過でき、胸を撫で下ろす。車検シールの3枚目をカウルに貼ることができ、これで晴れて今後の車輌の走行が可能となった。


▲ 毎年緊張するチルト試験

 15時半過ぎから早速プラクティス走行を始め、車輌の様子を見ながら少しずつペースを上げてゆく。3人のドライバーが順番に練習走行を行った。
 一方、15時半から静的審査の最後の1つであるプレゼン審査が行われた。これは車輌の売込みをメーカーの役員を対象としてプレゼンテーションするという仮想シチュエーションのもとで行われるもので、プレゼンの能力が評価される。審査では、質問に対する受け答えが満足できるものとは言い難いものとなってしまったが、それ以外の点は順当にこなすことができた。
 この日の終了時点で車検を全種目通過したチームが20チーム余り。これは例年に比べると多く、会場を見渡しても、年を追うごとに各チームの技術力が向上していることが見受けられた。今年は厳しい闘いになるだろうと実感したものであった。
 次の日からはいよいよ動的審査が始まる。これまでの成果を存分に発揮すべく車輌の整備も念入りに行った。


▲ 次の日に向けて調整を重ねる
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