9月13日

大会初日。雨の中開会が宣言された。KART最初の競技はプレゼンテーション競技だった。
事前の周到な準備と数度に渡るリハーサルを経、前夜も遅くまで修正を加えてきたプレゼンテーション。担当者のプレゼンにかけてきた思いが熱い言葉となってほとばしる。10分の発表のあとの質問では言葉を詰まらせる場面もあったが、自分たちの考えを主張することができた。審査員の方からもよく練習してきてあるとの評価を得、上々の滑り出しを迎えることができた。

次に行われたのはコスト審査。ファイナルアセンブリ、シャシー、カウルの担当者がそれぞれの担当において工夫した部分を審査員にアピールする。チームの性格上、原材料を安価に抑えることはできない。それゆえにコスト減のために凝らした様々な工夫は審査員の首肯を得るに十分であった。

そして静的審査最後の競技であるデザイン審査。設計における一貫した思想と解析や実験による裏づけは車両の完成度とあいまって審査員への絶好のアピールとなった。
静的三審査の手ごたえはいずれもよく、メンバーの顔も晴れ晴れとしていた。

午後は車検となった。これに通過しなければ、一年間の苦労が全て水の泡となる。緊張感が漂う中、車検員の厳しいチェックが入った。時折受ける指摘に対して、自分たちの考えを述べ、車両の安全性をアピールする。それでも安全面に対する配慮が足りない部分は数箇所あり、車検の一発合格はかなわなかった。ファイアウォール、チェーンガード等いくつかの指摘箇所を修正し、二時間後に臨んだ車検では無事に通過。一枚目の車検シールがカウルに貼られた。

次いで車重計測。目標重量に遠く及ばない255kg。それでも今は悔やんでいる時ではない。次のチルト試験は無事に通過し、二枚目の車検シールを張ることができた。

しかし、ここでこの日の競技は全て終了。騒音、ブレーキの二つは翌朝に回されることになった。

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